主人公に関する或るひとつの考察

2026/04/27

荒木建策(放送作家/脚本家)

日本の漫画、アニメ、
その主人公がほとんど「男」であることが
昨今、海外のWoke思想の人たちから
問題視されているという。

たしかに、
悟空、ルフィ、コナン、炭治郎、
ゴン、桜木、両津、つるぴかはげ丸、
そして、ルパン三世。
全員男である。

だが、実のところ、
調べてみたら1970年から2017年までの漫画で
男性の主人公というのは53パーセント。 
大雑把に言うと半分なのである。 
漫画、アニメの主人公が男性「ばかり」というのは
事実とは少し違っているのだ。

事実、
『リボンの騎士』
『ふしぎなメルモ』
『まいっちんぐマチコ先生』
『セーラームーン』
最近だと
『葬送のフリーレン』
『波よ聞いてくれ』
『魔法少女 俺』
『あそびあそばせ』など、
女性主人公の作品を挙げれば、
実はたくさんある。

では、
何故、漫画・アニメの主人公が
男性ばかりだという批判に至るのか。
これは簡単な話。
男性主人公のそれが
女性主人公のものよりヒットしているからである。

例えば『スラムダンク』
一目ぼれした女性に誘われて、
未経験の男子高生がバスケ部に入ってしまい、
結局バスケにのめり込んでいく、
いわゆる「スポ根」の王道。
これが女性主人公だと成立しにくい。

例えば『鬼滅の刃』
鬼になってしまった妹を
人間に戻したいと奮闘する炭治郎。
逆に、鬼になった弟を人間に戻すための
女性を描いた作品だったら…。
「なんか違う」と思ってしまう。
(女性である吾峠呼世晴先生が、
一見男性と思われるペンネームを使っているのも
そういうことなのではと思います)

もっと言うと、
誤解を恐れずに言うと、
漫画家は「歴史的に」
ある種、男性の職業であるから、
その主人公が男性になるのは、
当たり前のことなのである。
作者が男だから、主人公が男。
これは自然な流れだと私は思うのです。
(手塚治虫先生はそういう意味でも神だし、
『シンデレラボーイ』を描いた
我らがモンキー・パンチ先生も天才)

日本の漫画・アニメの主人公が
男性ばかりだと批判するWoke思想の害人。
的外れですよ。