見栄と惨事

2017/10/23

先日、初めて入った定食屋で、見栄を張って「上ロースカツ定食」を頼んだ。
ライスと豚汁が付いてくる、上ロースカツ定食を頼むと、出てきたのは普通のロースカツ定食だった。
お団子屋さんで「○んこください」と注文しても、黙って「あん団子」が出てくるように、
それなりの人が上を頼めば、例え聞き取りづらくとも、上ロースが出てくるはずだ。
それが普通のロースが来たということは、私には時期尚早なのである。
「まだ、上は早いのだよ君」とトンカツを通して言われたような気がして、
悔しさをキャベツで紛らわそうとソースに手を伸ばすと、その横にトマト色の自家製ドレッシングがあった。
ソースへのこだわりを捨て、変な味がするなとは思いつつドレッシングをジャブジャブかけたキャベツを頬張ったら、
その数時間後、
文字通り、上を下への大騒ぎとなった。


荒木建策