イタイ話

2018/01/15

痛いことが大の苦手だ。
すべり倒すお笑い芸人などに対して感じる「痛い」ではなく、単純な痛みのことだ。
小学生の頃、予防接種となると「トイレに行く」と列から離れ、個室でトイレットペーパーを調達し、
それを丸めたものを腕に当てながら教室に戻るといったことを繰り返していた。
いまだに注射は苦手で、病院にはもう10年行っていない。
そんな私なのだが、先日、歯科医の取材へ行く機会があり、
そこで、同行ディレクターの悪ノリの結果、治療を体験することになった。
いざ、診察台に上がると、冷や汗ダラダラ。
「痛かったら手を挙げて下さい」。聞こえてくる定番の台詞。ビビる私を見て面白がるD。
なんだか悔しくて、絶対に手など挙げるものかと意気込んでいたのだが、ついに、もう無理と勢いよく右手を挙げた。
しかし、そのときドリルはまだ歯に触れてもおらず、冗談と誤解したDから失笑が漏れた。


荒木建策