気遣い少年
2018/12/17
日曜の朝、いつも集合時間ジャストに着くこの私が、待ち合わせ20分も前に着いてしまい、
向こう2年は味わえないであろう人を待つ時間というものをじっくり嚙みしめようと近くのファストフード店に入り、
白湯のようなホットコーヒーをすすっていたら、小学生らしき少年2人組がやってきた。
「無理無理、冬場にあれはヤバいって」
「だよなぁ。オレも短パンはヤバいと思う。ポテトうまっ」
その場にはいない少年のファッションがイケてないといった内容の会話が、
明るい調子で繰り返されていたわけだが、彼らの対面に座っていたおっさんが履いていたのは短パンだった。
短パンを散々こき下ろす目の前に座っているのが、短パンのおっさんだったことに気付いてしまったのか、
しばらくの沈黙の後、小さな声がした。
「でもまあ、大人になったらアリだとは思うけどね…」。
マクドナルドのポテトに感動するような年齢の子でさえ、これだけ気を遣えるのだ。
私ももっと気遣いのできる大人になろう。
荒木建策
向こう2年は味わえないであろう人を待つ時間というものをじっくり嚙みしめようと近くのファストフード店に入り、
白湯のようなホットコーヒーをすすっていたら、小学生らしき少年2人組がやってきた。
「無理無理、冬場にあれはヤバいって」
「だよなぁ。オレも短パンはヤバいと思う。ポテトうまっ」
その場にはいない少年のファッションがイケてないといった内容の会話が、
明るい調子で繰り返されていたわけだが、彼らの対面に座っていたおっさんが履いていたのは短パンだった。
短パンを散々こき下ろす目の前に座っているのが、短パンのおっさんだったことに気付いてしまったのか、
しばらくの沈黙の後、小さな声がした。
「でもまあ、大人になったらアリだとは思うけどね…」。
マクドナルドのポテトに感動するような年齢の子でさえ、これだけ気を遣えるのだ。
私ももっと気遣いのできる大人になろう。
荒木建策