ライス神の怒り

2019/01/21

気付いていれば良かったのである。
一昨日、左手から右手に持ち替えようとした瞬間に手を滑らせ、おにぎりを落としたことで、
ライスの神様を怒らせたことに気付いていれば、あんな目には遭わなかったはずなのである。

昨日の昼、蕎麦屋へ行ったら、店員がまるでコントかのような美しいフォームでお茶をひっくり返し、
私はパンツの中までぐっしょり。
帰りがけに責任者を名乗る女性から「何かございましたら」と、電話番号の書かれた紙切れを手渡された。
夜は、鉄板焼き屋で肉そば玉と焼きそば。これは何事もなく美味しく頂いたのだが、
小腹が空いたよねと友人と立ち寄った中華そば屋で、
今度は店員がつけそばのおつゆをひっくり返し、またもパンツまでびっしょり。
汚れるのは一向に構わないが、このところ洗濯を怠っていてパンツがない。
一日で3枚ものパンツを消費してしまったせいで、
少なくとも明日一日、私はパンツなしで過ごさねばならないのである。

おにぎりを落とした上、一日中そばを食い続けたことで、
ライスの神様の逆鱗に触れてしまったに違いない。


荒木建策