親切とお節介

2019/04/15

前のめりになって牛丼をかきこむ友人の頭頂部を見て驚いた。
まだまだ土俵際で踏ん張っているとばかり思っていたのに…。
彼は三十代半ば。いや、何も人生に負けたわけではない。
毛根との戦いに敗れただけなのだ。
崎陽軒のシウマイを思う。
底に入っているグリーンピースは親切心か、お節介か。
この世の中で偉ぶった人と犬の糞とグリーンピースが最も苦手な私にとって、
あれは心より邪魔である。
はしたない話だが、底にあるグリーンピースをひとつずつほじくってから頂くとはいえ、
崎陽軒を責めようとは思わない。
そこには、味や彩りを考えた親切心が見え隠れするからだ。
彼の懐に入り込み、もう無理だから髪を刈ってこいとはっきり伝えたとしたら、
どう捉えるだろう。
お節介だと腹を立てるのか、親切心と受け取ってくれるのか。
2つの間をゆらゆらと行き来しながら、
こんな多くの目に触れる場で思い切り書いちゃっていいのかと、
不安になっている自分がいる。
読者の皆様、
どうか拡散せぬよう、よろしくお願い申し上げます。


荒木建策