貧乏性バイキングのすすめ

2019/08/19

バイキングが苦手である。
パン、ご飯、そばにおかゆに五穀米と、炭水化物だけでもありとあらゆるメニューが並ぶ様を見て、
色々食べられてお得だなぁとは思えない。
そこにある全てのものを口にできそうにないのが悔しく、食べ始める前から気分は負け戦である。
貧乏性なんだと思う。心が貧しいのだと思う。
心の中では一杯のかけそばを、家族で分け合って食べているのだと思うが、そんな与太話はともかく、
貧乏性な男がバイキングで負けぬためにはどうすればいいのだろう。
ひたすら食ってもへこたれぬ、強靭な胃袋を作り上げるには年齢的に無理があるし、
生ハムハム生ハムハムと、原価の高そうなものを損益分岐点を超えたと思えるまで
片っ端からポケットに突っ込んでいくのは人道的に却下。
となれば、ここはひとつ提供する側が、通常のバイキングとは別に、
貧乏性に向けたバイキングを用意するといった方向で動いてもらえないだろうか。
あるのは、白いご飯と味噌汁のみ。ご飯は1人1杯、味噌汁は2杯まで。
それ以上はいくらおかわりを頼んでも首を横に振られるシステムにしておけば、
いくら貧乏性の私とて負けはないが、それじゃバイキングというより炊き出しだ。
ホテルに泊まって炊き出しかバカ野郎…と、上から物を言えることにより、
益々勝利感が引き立つ貧乏性バイキング、是非ご一考を。


荒木建策