アナゴとタマゴ

2020/03/02

久しぶりに愚痴をこぼしてもよろしいでしょうか?…ありがとうございます。

先日、駅前の回転寿司に入りました。
目的はアナゴとタマゴと、リーズナブルなネタながらもわざわざ回る寿司を選んだのは、
言うまでもなくビビりな性格だからでして。
大将に告げずとも、勝手に流れてくるだろうと踏んでのことでして。
お茶をすすりながら流れる寿司を眺めていたわけですが、
待てど暮らせどアナゴがやってきません。
タマゴは続けざまに流れてきました。3皿。既に飽きました。
残る目的はアナゴのみ。
さほど興味のないエンガワだの中トロだのをつまみつつ、待つことおよそ10分。
私は決心しました。大将にアナゴを頼もうと。
そうと決まったらまずはセリフです。
「アナゴ」だけだとぶっきらぼうだし、
「アナゴお願いします」では、大将以外の店員は揃って金髪というラフな空気にそぐわない。
ならば「大将、アナゴ」か。オイオイ、一見の店でいきなり大将って、お前は誰だよ。
ここは「アナゴ」と「アナゴお願いします」の中間「こっちアナゴね」で攻めようと心に決め、
お茶で呼吸を整えてから切り出しました。
「こ、こっちタマゴね」威勢のいい返事の後、タマゴがスーッと流れてきて、
目的を達せぬまま回転寿司を後に。
タマゴの食いすぎで膨らんだ腹をさすりつつ、今ひとつ満たされない夜を過ごしているというわけです。
アナゴとタマゴのみならず、エツ子とセツ子、松村と村松なんかにも注意しつつ、
皆様はどうか素敵な夜をお過ごしください。


荒木建策