クリスマス

2020/12/28

荒木建策(放送作家/ アリゴ座主宰)

今年も独りだったクリスマス。
記憶が確かなら4年連続である。
そもそも、クリスマスは誰のものかって話である。
25日、表に出てタバコを吸っていると、同じ借家に住んでいる外人が丁度帰ってきて、
私の姿を見つけるや否やあの野郎「Merry Christmas.」と、それはそれはいい声で言うのである。
あなたは言えるだろうか?クリスマスの夜にバッタリ会った顔見知りのおっさんに、
照れも迷いも躊躇もなく、シラフで「Merry Christmas.」と言えるだろうか?
少なくとも私は言えない。やはりクリスマスは外人のもの。
日本人の手には余る、外人の、外人による、外人のための行事であるわけだが、
その代わり、元旦だけ休んで2日から何食わぬ顔して仕事を始めるのを通例としている彼らは、
正月休みの素晴らしさを知らない。
おせちをつまみながら、くだらないテレビを眺め徹底的にバカになる三が日の素晴らしさを知らぬまま、
2021年も2日から仕事場に向かうのだ。
だから私と同様、ショボいクリスマスを過ごした諸君は、暗い記憶なんぞ今すぐ捨て去り、
これから始まる我らのイベント、正月休みを楽しみましょうよと、
とことん楽しんでバカになりましょうよと、そう思うのである。
ようやく着地したところで、今年のコラムはおしまい。
また来年もよろしくお願いします!