銀メダリスト

2021/08/02

荒木建策(放送作家/アリゴ座主宰)

「銀メダリスト」。
そんな言葉ってあったっけ?と思いながら書いている。

オリンピックで「銀メダル」。
世界で2位。
滅茶苦茶スゴい。
日々、血のにじむような努力をした結果、
世界で2番になれたんだと思う。

でも、陸上だったり水泳だったりのタイムレースと
サッカーとかバスケとかレスリングとか、
二者で決勝を争うものとでは
銀メダルが確定したときの選手の
リアクションの違いに戸惑う。

例えば柔道。
決勝で負けた選手は100%落胆している。
銀メダルは獲れたのに
中には悔しくて涙を流している選手もいる。
見ていられないほどに。

一方、タイムを競う水泳。
具体的な名前を出して申し訳ないが、
200メートルバタフライの本多選手は
銀メダルを獲得して喜びを爆発させていた。

陸上100とかも
金メダリストはもちろん
銀メダリストも大喜び。
競技によって銀メダル獲得時の感情に
これだけ違いがあるのは、なんか嫌だなーと思う。

柔道の話に戻るが
決勝で「負けて」銀メダルで終わる選手、
3位決定戦で「勝って」銅メダルを獲得する選手、
どっちが幸せなんだろうと考えていたら、
涙が止まらなくなった。
このところ、涙腺の栓がぶっ壊れているからですが。

言いたいのは、
銀メダル、超スゴいよって、
オリンピック出られるだけでスーパースゴいよって、
彼らの負けてしまったという気負いを払拭してあげられるくらい
讃えてあげたいということです。