明暗

2022/06/16

システム/プランニング担当:今村

先日、実家に帰省していた際、
朝8時頃、玄関チャイムが鳴った。

その日は家庭菜園で庭に出ていた父が、
インターホン越しではなく直接応じていたので、
私は何とは無しに窓からちらっと眺めていたのですが、
6年生ぐらいの小学生2人と、
低学年の子供4-5人が整列して、一斉に頭を下げていた。
ん??何事か?

しばらくして、頬を綻ばせた父が室内に戻って来たので、聞けば、
実はここ最近、朝から、
インターホンで応答しても誰もいない、
いわゆるピンポンダッシュを何度かされていたから、
一度外に出てみたら、どうも登校時の小学生らしい子供たちが走って逃げて行くのを見たと。
けれど、まぁいつの時代にもある子供のいたずらかと思って放っておいていたという。

「チャイムの押し逃げを繰り返してすみませんでした!」
「すみませんでした!!」

周りとは少し違う、実家のチャイムのデザインを珍しく思ったらしい低学年の子供たちが、
面白がって連日押していたことが上級生の耳に入り、
一緒に行くから謝りに行こうとなったのが、上記のことの次第です。

先生や大人を引き連れず、
子供たちだけで謝りに来たことに、いたく感動した父は、
「偉いね!立派だね!」と子供たちをその場で称賛しただけでは飽き足らず、
彼らの小学校に連絡して、
「勇気あるいい子たちだから、褒めてあげて欲しい」と伝えたらしく、
後日談として、翌週の全校朝礼で校長先生がその旨お話されたと聞き、
何だか嬉しくなりました。

昨今は、隣り近所に誰が住んでいるのかわからないというのは実感としてありますが、
未来を担う、頼もしい子供たちはちゃんと育っている。

私も父も東京育ちですが、
私の幼少期でも近所の方々は概ね顔見知りで、
歩いていれば、誰かしらの大人に「どこ行くのー?」とか日常的に声を掛けられていましたし、
父の時代は、逆に見慣れない顔がうろついていたら、ゴリゴリの江戸っ子が容赦なかったようですが、
今やすれ違った見知らぬ子供に「おはよう」程度の声を掛けただけで、
不審者扱いされ、通報される現状を憂いていたので、微笑ましい出来事でした。
(一部、おかしな輩もいるので仕方ないところもありますが。)

かたや先日、
ソフトボールで遊んでいた中学生が誤って他人の家にボールが入ってしまい、
無断で庭に取りに入ったことで、
69歳だかの住人が不審者かと反射的に胸ぐらを掴んだかどで傷害罪で逮捕された、
というニュースを見ましたが…あんまりじゃないですかね?
自分の家で。しかも薄暗い午後7時。
うちの子が暴力振るわれて帰って来たー、大人げない!過剰防衛だー、
と通報、又は被害届を出したであろう親御さんは、
そんな主張をするのであれば、引き換えに、
自分の子供の住居不法侵入罪も受け入れないと筋が悪くないですか?

つまり、そういう極少数派でしょうモンスターペアレントと思しき親が、
未来ある子供の自主性とか考える力を削いでいるんじゃないかと思いました。
子供を守るのは大人の役目だとは思いますが、
一方的に住人が起訴されてチャンチャンだとしたら、
モヤモヤが止まりません。

「すいませーん!ボール取らせてくださーい!」と一声掛けるなり、
インターホン鳴らせば問題なかっただろうに。

まったく!
うちの実家に来た小学生を見習え!バカ親!