うどんとわたし

2017/03/20

「うどんが悪いんじゃない。お前が悪いんだ」と言われれば、それまでなのである。
それまでなのだが、うどんが悪いのである。

仕事から戻って、明日締切の原稿三本中の一本をあげたところで、
急にお誘いを受けてとあるバーへ。
2杯ばかり飲んだところで「そろそろ」というタイミングを見計らっていると、
私より先に隣の席で飲んでいたおっさんがすくっと立ち上がった。
「さーて、そろそろ得意技を見せちゃおっかなぁ~!このうどんをね~、鼻から吸いまーす!!」
真横で得意技が出ようとしているタイミングで、「それじゃそろそろ…」とは言いにくい。
座り直して鼻から入ったうどんが、口から出てくるのを連れと共に、
横目で見ながらじっと待っていたわけだが、これがなかなか出てこないのである。
そんな調子のグダグダが、ビッチリ2時間続きに続き、
自宅に戻ってシャワーを浴びたらこの時間というわけだが、
完全に締め切りを落としてしまった。

もしかして私はうどんと相性が悪いのだろうか。

後輩がうどんを頼むと、いつまで経ってもフーフーしてるもんだから散々待たされることになるし、
いつだったか釜揚げうどんを食べに行ったら、1時間ぐらい待たされて会議に遅刻した。

今年はうどんを断つしかないのかも知れない。


うどんが主食 
荒木建策