大谷、はいせん@京都

2024/04/08

荒木建策(放送作家/アリゴ座主宰)

このコラムを綴っているのは、
4月7日、
京都駅のカフェ~
東京への帰りの新幹線内である。

こんな時期に
しかも、かなり急に
京都を訪れることとなったのは、
寝耳に水のあることがきっかけである。

それは、
Facebookの友人の名前が
突然、旧姓に戻っていたこと。
そう、今回の旅は、
彼女の近況と離婚の事情やらの確認に
かこつけたものだった。

友人の離婚については
軽く触れるのみに留めるが、
原因は旦那のギャンブル依存。
子どもの学習保険などにも手をつけ、
カウンセリングにも幾度となく通うも
離婚に至るまで、
治る気配もなかったとのこと。

「うちほど大谷の気持ち分かる人間、
おらんと思うわ」

との時勢を捉えたひと言には、
失笑を禁じ得なかった。
ケロッとしているとは言い難いが、
彼女の前向きな姿を確認できたので
そこからは観光に切り替え。

...とは言うものの、
京都には一年ほど前に来たばかり。
行きたい場所などない。

しかし、だ。
今回は桜がある。
京都と桜なんて、
ハンバーガーとポテトや
ビールと枝豆、
イチゴと練乳、
エビフライとタルタルなどと
同等のペアリングを誇る
組み合わせではないか。

桜の時期というせいで
市内のホテルは通常の3倍だし、
こんなタイミングで来たからには
損して得取れ。
というわけで、
桜をテーマに名所を巡ることに。

長くなりそうなので、
主だった場所は端折るが、
行って良かった一位は、
「蹴上インクライン」。

全長582メートルの
「廃線」を歩きながら
両サイドに咲き誇る桜を見物できる
穴場的スポット。
ここが今回の旅のハイライト。
興味のある方は、
是非画像検索してみるか、
明日にでも訪れて欲しい。

というわけで、
今回の旅、
なんとかある意味での
敗戦は避けられたのでした。
おあとがよろしいようで。
友人と大谷に幸あれ。