一から十まで詰まった話

2024/09/16

荒木建策(放送作家/脚本家)

飲み会でのことだ。
その話を始めた彼の第一声は、
こうだった。

漢字の「一」の部首って何だか知ってます?

その場にいた誰もが
「?」という顔をすると、彼は
「全ての漢字には部首が存在するんですよ」と
知っていたようで知らないことを語り出す。

だから、「一」という漢字にも部首は存在するわけで...
「なんだと思います?」

少し考えて私が答える。
じゃ、「一」かな?

「正解です。じゃ、二は?
二の部首ってなんだと思います?」

皆、しばし考える。
そして、誰かが声を上げる。
「二の部首...あっ!それも一ってオチでしょ?」

なるほど、それ正解だわ。
そういう面白雑学ね。
と思った瞬間。

「二の部首は二です」と彼。

なんじゃそりゃと全員がなっている中、
彼はさらに続ける。
「では、三の部首は?」

じゃ、三?(ほぼ全員)

「実は...一なんですよ」

全員「(爆笑)」

一の部首は一、
二の部首は二、
三の部首は一。
なんじゃそりゃ、という話だった。

漢字って面白いね、
この場では、そこで終わったのだが、
私は気になっていた。
その続きが。
じゃ、四は?五は?と。

なので、
帰ってから調べてみた。
すると...
四の部首は「くにがまえ」。
国に比べて、四はなんとなく
平べったいイメージなので、
これは少し意外だったのだが、
まあ、そうか、で済ませられた。

だが、
今回、あえて綴ろうと思ったのは、
ここからの展開があったからだ。

「五」の部首を調べてみると、
なんと「二」
二!?
おいおい、三で話やめたの
もったいなさすぎるやろ、
などと思いながら続きを調べる。

「六」の部首は「八」
八!?
数、先に来てもうてるやん。

「七」の部首は「一」
あ~...

「八」の部首は「八」
だよね~...

「九」の部首は「乙」
乙!?
無理矢理感半端ねー!

そして、
「十」の部首は「十」

十で、もうええて
となったのは致し方ないが
三で止めるのは、
もったいない雑学。

しばらくは、
一から十までの部首の話で
飲み会を盛り上げられそうである。

ちなみに、
荒木建策の部首は、
草、木、えんにょう、竹、である。
草食系。