デビューの話

2017/08/07

免許を取って最初の車は、父親のフェラーリでした。
とある友人の話を「デビューがフェラーリというのは、本当に幸せなのか?」と考えながら聞いていた。
例えば、最初に食べたアイスがホームランバーだったら、素直にその美味しさに感動できる。
しかし、バニラアイスの物語が、ハーゲンダッツから紡がれたら、
もはやホームランバーで満足を得られることはできない。それと同じように。
フェラーリでデビューというのは、幸せどころか、むしろ不幸なのではないか。
舞台の世界も然り。
装置や照明が豪華な作品で観劇デビューしてしまったら、
ストーリー云々の以前に、もう小劇場で満足することは難しい。
もしも、読者に観劇に興味のある方がいて、最初の作品を何にしようか迷っているのであれば、
オススメしたいのが、我が「アリゴ座」。
昨日、大盛況の中、千秋楽を迎えました。
次回は12月予定です。


荒木建策