カピカピ

2017/09/04

耳を澄ませばカピカピと音がする。
あれもやらねば、これもやらねばと追いつめられてる最中、
額に「駄目」と書かれたような男に呼び出され、
「オレは美人しか相手にしない」とか、
「ひと声で100の兵隊が集まる」とか、
ドバイのゴミの分別方法よりも興味のない話を聞かされた夜に足先からきた渇きは、
踝を伝って、下半身を飲み込み、今や唇までカピカピだ。
潤いが必要だ。
「潤い」と書かれたタペストリーがあれば、堂々と部屋に飾るほどに潤いを欲している。
絶景を見下ろしながら牛乳風呂に浸かる、
あるいはセブ島のホテルでマッサージを受ける…。
そこまでの潤いだと、何日かお預けを食らった後に、
ギトギトのラーメンを押し込まれた胃のように拒絶反応を起こすだろうし、
そもそも牛乳風呂は臭いそうだ。
ということで、今週末、伊豆に行ってきます。
適度な潤い。


荒木建策