ADクンへ

2017/08/28

先日、「これ、読んでください」と、ある番組のADくんから手紙を渡された。
Dになるという夢を諦め、作家を目指したいから弟子にして欲しいとのこと。
どう断ろうか考えている内に、気付けば彼は辞めており、連絡先も分からないので、ここで返事を。

努力すれば夢は必ず叶うよ、とでも言っておけば耳障りはいいが、現実はそんなに甘くない。
そんな言葉で分別ある大人の背中を押すことは、極めて無責任だ。
職種を問わず、一人の成功者がいれば、その陰には必ず同じような素質がありながら夢破れた人がいる。
どちらに転ぶのかなんて誰もわからない。

その冷酷な現実から目を背けず、視野を広く持ってチャレンジし続けること、
それから、手紙はちぢれ毛をきちんと払ってから封筒に入れることが大切だと思う。
どうせ倒れるなら前のめりで。頑張れ。オレも頑張るよ。


荒木建策