チョコレートマシマシパフェ

2017/12/11

なかなか言えないものである。
普段、攻撃的な姿勢で接している他者に対し、
「いいね」とか「似合ってるね」とか「ステキだね」とか、好意的な言葉を投げかけるのは難しい。
難しいからこそ何か別の形で伝えようとする。
その最たるものが、好きな子に対するちょっかいではなかろうか。
先日、友人と共に、彼が贔屓にしているというカフェに入った。
注文を終えて待っていると、いつものことらしいが、
冷血になったアシュラマンかと思うほど無愛想な女子店員が、友人のオーダーしたチョコレートパフェを運んできた。
一見普通のチョコレートパフェなのだが、「いつもよりソースの量が圧倒的に多い」とのこと。
そして、彼は、もしかしてそういう意味なのかと色めき立った挙句、
あろうことか、女性店員にソースが多い理由を尋ねた。
返ってきた答えは、
「厨房担当のさじ加減なのでわかりません」。
そりゃそうだ。


荒木建策