先人の経てきた道?

2018/07/30

白々と夜が明けた午前4時。
まだ蝉の声は聞こえないが、私の頭の中では「ピコーン、ピコーン」とカラータイマーの音が響いている。

PCに向かった直後に強引な呼び出しを受け、
酒場に突撃したのが午前0時のこと。

抜けるタイミングが見つからず、いつの間にか午前2時を回る。

淀んだ空気に嗚咽が出そうになっていたところで、
その場を仕切っていた大御所作家Oさんが言った。

「それじゃ、残った酒を一気して上がろうか」

これを飲んだら帰れるとあらばテンションが上がる。
「飲ーんで飲んで飲んで…」大声を張り上げ、若手の一気を応援したのが余計だった。

「なんだ、まだまだ飲みたりないんじゃん。お姉さーん、赤ワインのボトル追加ー!」

そこから2時間弱、ショボい話をビッチリ聞かされれば、
スタミナだけが自慢の私だってカラータイマーが点滅するというもの。

それはそうと「作家は30代半ばが一番忙しいんだよ」と教えてくれたのは、
Oさん、あなたではなかったなかっただろうか。


荒木建策