憤慨の隣人

2018/10/01

私が住む集合住宅では、猫の糞害がちょっとした問題となっている。

したけりゃしろよ、好きなだけすればいいさというのが私の見解だが、
帰宅すると玄関先でとぐろを巻いたうんこが目に飛び込むというのは大層気分が悪いようで、
右隣の部屋、そこに住む温水洋一に似たメガネのお兄さんが、
昨日もチッチチッチと舌打ちを繰り返しながらブツを片付け、
オレンジの香りがする猫よけの砂をまいていた。

猫は柑橘系の香りを嫌がること。ミカンの皮でもいいが香りがすぐ飛んでしまうことなど、
お兄さんが猫よけについてのうんちくをひとしきり語って部屋に戻った20秒後、
猫がその砂の上でいつもより多めにうんこをしていた。

温水に猫よけの効果が全くないことを伝えてあげるべきか、
それとも猫たちに餌を与えているのが彼の妻であることを伝えるべきか、悩んでいる。


荒木建策