こうして大手が生き残る

2018/10/22

判官贔屓と言ったら失礼かもしれないが、
どうせ同じ物ならコンビニではなく地元の個人商店で買ってあげたいなと、
3分余計に歩いて小さなスーパーへ。

雑誌とタバコとナタデココで1300円ちょっと。
そこで、いつだったかお釣りに紛れ込んでいた二千円札を手渡すと、
レジのおばさんがこれ見よがしに眉間にしわを寄せ「これはちょっと…」などとのたまうのである。

確かに二千円札は厄介な代物だ。
使いどころは限られるし、パッと見五千円もしくは一万円だと思ったものが、
二千円札だと知った時のショックは、
気になっていた女性が、実は男だったと知ったときと同等かそれ以上である。

二千円札を手渡され、「あーあ」と思う気持ちは痛いほどわかるものの、
私は客だしこれはお金だ。
日本銀行発行のれっきとした銀行券だってのに、「これはちょっと」ではないだろこのババア。

その生意気な口を、私の唇でふさいでやろうとも思ったが、その気になられても困るし、
手が後ろに回ったらもっと困るので「じゃ、いいです」と、ファミマで買い物して帰った。


荒木建策