ギリギリ人

2019/02/18

ピンチです。
乗るはずの飛行機が、空に羽ばたく10分前に目覚めた時でさえ、
とりあえずベランダに出て一服した私が、掌にじっとり汗をかいております。
半分仕事で半分遊び。
ドキドキとワクワクとパソコンをバッグに詰め、東京を発ったのが今朝のこと。
今、私は京都の、やや樟脳臭いホテルで緊張に震えているのです。
街を散策し、遅めの初詣をして、泣くほど旨い蕎麦を食らい、ホテルに戻ったのが16時過ぎ。
風呂に入り、もう一度街へ繰り出すその前にコラムを書こうとバッグを開けたら、パソコンのアダプターがありません。
そりゃそうです。入れた記憶がないんですから。
書き始めには1時間以上あったバッテリーの残量が、今や12分。
つまり、あと12分で…いや、11分で書き切れなければ終わり。
締め切りを落とすという悪しき事態に陥ってしまうのです。
「いつまでも あると思うな バッテリー」。あと10分。
バッテリーといえばその昔、バツ&テリーなる野球漫画が家にあったなぁ…。
思い出に浸かっている間に残量はあと5分。背に腹は代えられません。
仕方ない。もう、これで飛んでけ、世界に。


荒木建策