悲しみのお裾分け

2019/03/04

今日は、悲しみのお裾分けをしたい。
今夜だけは、私の話を聞いて悲しみを分かち合って頂きたい。

先日、私は運命の出会いをした。
下北沢の古着屋で、赤いスウェットパンツと運命の出会いをしたのである。
目に飛び込んだ瞬間、思わず呟いた。
「あっ、オレのだ」。
世界中どこを探しても、私しか似合わないような気がして、即座に購入した。4800円+税也。
買ってからというもの、一日と間を置かず履き続けていたのだが、
先日、それを履いて会議へ行ったら、
まず、片岡Dが大笑いしながら「何だそれ!?」
AD豊福は真顔で「何かこう、うまく言えないですけどヤバいですね」。
AP平井が「アヒャヒャヒャ」と続き、
川本Pにいたっては、「シモダカゲキっぽいね」と、
もはや漢字に変換することすら面倒なおっさんを例に挙げるのである。
その場は「昔買ったやつなんだよね…」と取り繕い、会議室を出た。

ひとしきり泣いてからもう一度、鏡で確認してみたが、私としてはやはりしっくりきているし、
それを履いて渋谷にも銀座にも行った。
…どう思う?


荒木建策