年齢詐称作家

2019/06/24

一昨年は友人が集まってくれました。
去年はとびきりのプレゼントをもらいました。
そして、紛れもないアラフォーとなった今日、その門出となる日に、
まさかボールペンを太腿に押し付けながらこのコラムを書くことになるとは思いも寄りませんでした。
しかも、寄せては返す眠気を吹き飛ばすためとはいえ、インクが染み出る尖った方では痛すぎるだろうと、
ボールペンのお尻の部分を6割ぐらいの力で押し付けている甘さに対してもまた、信じられない気持ちでいるのです。
人に優しく自分に厳しく。
キングボンビーに取り憑かれた敵がリセットボタンを押そうとも、
自分は押さずに我慢しよう、大人になったらキングボンビーの悪行にも耐えうる強い男になろうと誓ったはずなのに、
何故ボールペンの尻なのか。ここはペン先でグサッと…やはり無理です。
自分にはまだ必要以上に尖ったものを、太腿に突き刺す勇気は備わっていないようです。
5月29日の夜に書いたこのコラム、
仕事先では35だと偽っているからと躊躇し、今日まで封印しておりました。
10年後か、20年後か、いつの日か躊躇なくペン先を突き刺せるようになったとき、
堂々と本当の年齢を公表しようと思います。


荒木建策