記念パーティー

2019/11/11

毎年7月になると石原裕次郎の法事の話題で持ちきりだが、今年は「33」回忌だったという。
今ひとつ飲み込みづらい数字であれほど盛り上がることが許されるのなら、
「150」だってささやかなお祝いぐらいしてもいいのではないか。
このコラムが今回で150回目を迎えることを祝い、
一人静かにパーティーを開いたってバチは当たらないだろうと、外食することにした。
これが100で割り切れる回数だったらワインで乾杯もいいだろう。
しかし、所詮150回である。
パーティーメニューはカレーが身の丈だろうと、
ドライカレーの店へ向かったところ、店の灯は消えていた。
この出鼻をくじく仕打ちもまた、150回にふさわしい。
次に向かったのはスープカレーの店。
こちらは煌々と明かりが灯っていて待たされることもなかったが、ビックリするほど臭かった。
誰かが納豆オクラカレーを頼んだのだろう。
カレー屋では決して口にしてはならぬアレの臭いが店内に立ち込める。
毒を制するには毒しかない。私も負けじと納豆オクラカレーをオーダー。
超辛口にしてもらった臭いカレーを、ただ黙々と流し込んだと聞いてどこがパーティーか、
完全なる負け戦ではないかと指摘する向きもあろう。
しかし、100回や200回ではなく、今回は150回記念パーティーである。
このどうにも割り切れぬ思いこそ、150回記念ならではじゃないかといったところで、
今宵はこの辺で。


荒木建策