「チケット2枚買ったけど一緒に行く人がいなくて…。チケ代要らないから荒木くんどう？」
聞いたこともないミュージシャンの名を告げられ、即座にお断り。
誰か行くだろうと落語のチケットを2枚取ったものの、誰一人として興味を示さず、
チケットを握りしめ右往左往していたあの時の私と状況は似ており、
わかる、わかるよその気持ちと、空想の中で彼をハグしていたのだが、
よくよく考えればチケット代いらないって、私はどれだけお財布事情を心配されているのだろうか。
そうかと思えば昨日の夜は、とある人に体調を心配された。
「荒木さん、何だか元気ないですよ。ちゃんと寝てますか？」。
確かにここ2、3日ろくに寝ていなかった。
この世にカ○ビアンコムさえなければと、思わずにはいられぬほど眠かった。
今すぐ目をつぶりたい。
10でも、何なら3分でもいいから眠りたいと、電車のシートに腰掛けながら強く願っているその横で、
心配してくれたその人が、息もつかせぬマシンガントーク。
結局、1秒も眠らせてくれなかったその人の名は…と、愛すべきバカ野郎の名をさらしたら、
仏の荒木がどうしたんだとまた方々で心配されそうなので、今日はこの辺で。


荒木建策