最近急に冷え込み、侘しい季節を迎えたからか、
別居中だの、三行半を突きつけただの、
どういうわけか私の周囲は男女の仲までグッと冷え込んでいる。
ある友人は妻の不倫に気付いて離婚した。
人の良い彼は立つ鳥跡を濁さず、かなりの譲歩をした上で最後の最後、書面にサインを求めたところ、
「私、専門家じゃありませんからサインできません」。
優しく諭し、ようやくサインしたかと思ったら、今度は、
「念のためコピーさせてください」。
そんなやり取りがあったと聞いて、夫婦も別れりゃ他人なのかと寂しい感じがするのは、
やはりこの季節だからだろう。
土曜の夜、どんなパートナーだと厳しいか、その場にいた数人で好き勝手話していた。
必ず話の腰を折る人、何かにつけて知り合いの話に持っていく人、
鼻の穴が黒い人、湯船のお湯がぬるいと怒る人、常にカレーの匂いがする人…。
不惑まであと数年だというのに、カレー臭いだとか、鼻の穴が黒いだとか、
あまりにくだらなすぎて思わず涙が出てきたが、これだけは譲れない。
男性の場合、母親と同じ名前の人をパートナーに選んでしまうと、
厳しいというかちょっと萎えると思う。


荒木建策