判ってくださる?

2020/04/13

『大人は判ってくれない』。
アマゾンプライムでなんとなくマイリストに追加した挙げ句、
結局、観ずに終わっている中にそんなタイトルの映画があったが、
私に言わせてみれば、大人に限らず誰一人として判っていない気がするのです。
久しぶりに参加したコント番組の会議(リモート)。
終わった直後、ADさんが真顔で「やっぱり芸人さんは違いますね、芸人さんは勢いが違いますね…」って…。
川本君、私は芸人ではありません。
…自宅近くに野良猫がいるのです。
これがまた驚くほど毛並みの悪い猫で、おそらくは栄養失調なのだろうと、
煮干しをポイポイ投げたものの一向に食べようとしない。
そこで手の上に載せて口元にもっていったら、色々な意味で大事な右の中指をガブリ。
キミキミ、そっちじゃありませんから。
…そんなこんなで、もはや呼吸も面倒なほどにグッタリ疲れ、編集所のソファでゴロゴロしていたのです。
そんなに疲れてるのかと聞かれたから、
「身体を洗い、髪の毛を乾かし、ベッドまで運んでくれるならお金を払ってもいいぐらい疲れてる」
と答えたら、APさんが目を白黒させて、
「そ、それはつまり、トルコに行きたいってことですか?」
そういうことではないし、今はトルコだなんて言いませんから。
…ボーッとテレビを眺めていたら、ある演歌歌手が言いました。
「言葉では通じ合えない部分を歌が埋めてくれる」。
そうなんですかね?
むしろ他者と通じ合えないことことで生じる心の隙間を埋めてくれるのが、
歌なり踊りなり演劇なり、いわゆる娯楽だと私は思うのですが。
…そうです。病んでいます。病んでいます。コロナ、早くなくなれ。


荒木建策