こんなアプリがあったらいいな

2020/04/20

1日の半分は画面を見ているんじゃないかと思うほどのスマホユーザーでありながら、
その用途はLINEが約5割、Youtubeが4割、残りの僅か1割を2分で飽きるくだらないアプリがかろうじて占める。
実際のところは、まるでスマートでないユーザーであるわけだが、
それというのもピンとくるアプリがなかなか見当たらないからである。
もっとこう、ズボンに空いた穴を塞ぐためにお母さんが縫いつけたアップリケのような、
私にジャストフィットのアプリはないものか。
ちなみに今、欲しいのは、通話を終えてから相手が切るまでの時間が表示されるアプリ。
通話が終わると決まって通話時間が画面に表示されるが、それが何の役に立つというのか。
長電話を反省する材料にでもするのが精一杯。
そもそも、たかが電話に反省など促されたくはない。
我々が本当に必要としているのは通話時間ではなく、通話を終えてから相手が切るまでの時間ではないのか。
それが表立ってであろうと内心であろうと、人は腹を立てると通話終了ボタンを急いで押しがちである。
その最たる例がいわゆるガチャ切り。
会話を終えてから5秒経過した後に相手が終了ボタンを押しているようだと無問題、3秒でも青信号か。
2秒を切ると黄信号で、1秒以内は完全に真っ赤っ赤、電話の向こうにいる人は相当気分を害していると考えられる。
得意先にミスを謝罪するとき、あるいは妻に帰りが遅くなることを告げるとき、
相手の腹の内を推し量れるこんなアプリがあれば、おそらくは手放せなくなるはず。
もしも実際に売り出されたら、企画書の締め切りを2日も3日も遅れた、
今のようなシチュエーションでも使用するのかなと、
上の人にひとりにひとり電話してこっそりアプリを起動させるのかなと、
そんな気がして今ひとつはじけられない週末の夜なのである。


荒木建策