夏の終わり

2020/09/03

今村記/

概ね全国的に夏休みは終わったようですが、
ここ数年の、宿題代行なる業者には驚きます。
国語、算数などは1問100円~、図工の絵画等は1枚15,000円とかザラなんだそうで。
子供の小遣いから払えるとは思えないほど、
それなりに高額なのに、存続し続けているのだから、一定の需要があるんですね。

今年はコロナ云々で会っていないので知りませんが、
去年の夏休み終盤、小学生の姪っ子が遊んでばっかりいるので、
「もう宿題は終わったの?」と尋ねたら、
「終わるも何もやってないよ。やらなくても、休み明け怒られるだけでしょ?」
と堂々と返してきたので、
頑張ってらっしゃるだろう教員の方々のご苦労が偲ばれ、申し訳なく思ったものですが、
宿題代行が繁盛していると聞くにつけ、
怒られる覚悟を持っている点だけは、少なくとも代行に頼んでことなきを得るよりはずっとマシ。
と思うのは身内の欲目ですかね?
どっちもしょうもないですが。
それぞれの個性を尊重するとか、
塾で忙しくてそれどころではないとか、
そもそも宿題の是非とか、色々言いたいこともあるのでしょうが…。

必須だった絵日記を初盤にさっさとまとめて書いて、
天気欄との整合性が取れずキリキリした過去を持つ私にいう資格があるのかも疑わしい限りですけれども。

とはいえ、
学生時代バイトの後輩が、私の非番時に、
「お客様が10%の割引券を持ってきたが、いくらになるか?」
と電話をしてきたことを思い返せば、
建築家等を目指しているならともかく、
台形の面積を求めよ、とかは横においていいから、
最低限の加減乗除程度は身につけておいた方が将来暮らしやすいんじゃなかろうかと。

しかし一方、中卒の友人がふらふらフリーターをしていたのに、
ある出会いがキッカケで「美容師になりたい!」と奮い立って、
血の滲むような努力で、現在立派に活躍し、
そこらへんのサラリーマンよりずっと稼いでいるので、
わかりやすい学歴などがさほど重要とは思っていません。
ただ、「学生時代、もうちょっと勉強しとけばよかったよー」と本人は笑ってますけど。
はち切れんばかりのいい笑顔で。

なので開き直っている私の姪も、代行にあやかった子供さんも、
まさか代理受験とかしないにせよ、得手不得手はあるにせよ、
どこかのタイミングで自力で何かを手にして欲しいな、と思う次第です。

生意気な姪っ子よ。
心変わりして怒られるのに懲りて宿題を誰かに押し付けることが万が一あるならば、
せめて毎年私が渡しているお年玉から払えよ。
代行などいなかった私たちは、怒られるだけ、どころか、
その上で、今や虐待扱いの、廊下に立たされる、という代償を払ってきたのだから。


MPP/システム・プランニング担当
今村