癖(へき)

2020/12/14

荒木建策(放送作家/ アリゴ座主宰)

人は誰しも癖を持っている。
言葉や仕草など、その人オリジナルの癖がある。
中には人に言えない性的な癖だってあるが、法さえ犯していなければ、だいたいは理解される。
食だってそう。
肉しか食べない人もいれば、ベジタリアンもいる。
私はグリンピースが苦手だが、好きな人に対してそりゃねーだろうとは思わない。
ただ、食に対してひとつだけ、私には理解されにくい癖がある。
みなさんは「キャベツ太郎」をご存知だろうか。
昔は小さい袋で20円だったか、それぐらいの値段で売っていて、
今はビッグサイズしか見かけることはなくなったが、
私はこのキャベツ太郎が好きで、食べ方にもこだわりがある。
まず、袋を開ける。
ここまでは、男も女もアメリカ人だって同じだろうが、
開けてからすぐ食べずに一日放置するのである。当然、湿気る。
だが、一日放置することで、大気中の水分がキャベツ太郎に適度な湿り気を与え、絶妙な歯ごたえになるのだ。
本来、お菓子はサクサクの状態で食べるのが良しとされるが、
キャベツ太郎だけは湿気た状態で食べるのがベストだと思っている。
みなさんも一度騙されたと思って試してほしい。
ちなみに、男性の方はお付き合いしている女性や奥様にバレないようにやっていただきたい。
女性はだいたい固いものが好きだし、男はだいたい柔らかいものが好きなので。