5Gと想像力の欠如

2021/07/05

荒木建策(放送作家/アリゴ座主宰)

私は虫が大嫌いである。

昔『ダーツの旅』で五島列島が当たった回で
第一村人が悪ノリしてバッタを喰らい、
「五島の人間は虫を食うんだろう?」と
散々イジられたからではなく、
フォルムやサイズ感、いきなりいる感じ…
全てが嫌。
知ってる虫一匹が部屋にいるのと
知らんおっさんが一人いるの、
どちらか選べと言われたら迷わず後者。

私は虫が大嫌いである。

中でも名前すら言いたくないのが
この時期から遭遇する頻度が高まるアイツ。
街中や飲食店、下手をすれば自宅で…
恐すぎて、冬が来るまで
頭の片隅にずっと奴がいる。

先日、雨の日に
対面にいた知人の傘が
テーブルの下で倒れ、私の膝に「トンッ」。
「出たぁー!」と思ってしまい、
その瞬間、
テーブルをひっくり返すほどの勢いで狼狽。
周囲を驚かせてしまった。

奴に対する嫌悪や恐怖は人間の本能。
遺伝子に組み込まれているものだと思う。

そこで批判したいのが某企業のCM。
嫌いな人が名前を発したり、
書くことすら躊躇する奴の名を
平気で女優に叫ばせている。
そして、それを一日に何度も流している。

見る度、聞く度に心臓に悪く、
憎悪の感情が湧いてくる。
作り手と企業の神経は腐っているのか?
貴社が推している5Gってそういうことですか?
そう思われても仕方ないし、
もう、あんたんとこはxxxx(ピー音)バンクだ。

想像力が欠如していると他人に嫌われる、
という良い例。

私は虫が大嫌いである。