作家の荒木です。
今回は、「やらせ」がテーマです。

私の放送作家の師匠は、
何を隠そう『あるoる大辞典』という番組で、
「納豆ダイエット」というありもしないダイエット法を紹介し、
「納豆を食べれば痩せる！」というガセネタを放送して、
一時期、業界から干されてしまった方です。

本人はディレクターが捏造したデータやら偽のインタビュー映像を見せられて、
ディレクターが考えた演出のまま台本を書いただけ、
というのが真相なのですが…。

ディレクターの捏造に誰も気付かぬまま放送してしまったのですから、
チェック体制がゆるゆるだったんでしょう。
専門知識が必要な番組は、これだから怖い。

最近は確実な「やらせ」というのは、ほとんどなくなりました。
しかし、やらせ（っぽい）ことは多々あります。

例えば、街頭インタビューで、
番組の意向はあったものしか放送しない、とか、
ダイエット番組で番組が用意したダイエット法で、実際に痩せた人しか出さない、とか、
料理番組でタレントが作ったものと、裏でプロが作ったものとを入れ替える、とか。
今でも普通にあります。

テレビに映ってることが全部本当だという見方は、
結構危険かも知れません、というお話でした。

次回は「パクリ」をテーマに書いてみようと思います。


荒木建策