水族館へ行こうよ

2021/10/18

荒木建策(放送作家/アリゴ座主宰)

「森きらら」「海きらら」。
佐世保には、そんな名前の動物園と水族館がある。

水族館は動物園と比べると、
一枚落ちるというか、そこまで胸が踊らない。
魚なんてそこらへんにいるじゃねぇか。
なんだったら食料だろ!
というのは五島列島生まれの私の評価。

動物園の二軍感があるから、これまで敬遠していたけれど、
考えを改めなきゃいけない。
場所にもよるが、水族館の面積は動物園よりはるかに狭く、
そのかわり質で勝負している。

水族館といえば、謎の魚がうじゃうじゃいて、
聞いたことない魚しかいねーじゃねーかと、
落胆したところをイルカやアシカのショーで癒してくる。

完全に魚を三軍扱いしているわけだが、
今はそのサブイベントのようなものが充実しているのだ。
ペンギンが水中を泳ぐだけで感動した。
アシカもボールやゲートを使って観客を沸かせていた。
カワウソはこっちを見てきた。
何類かわからない謎の生物もいた。

水族館とは、完全に水寄りではなく、動物園に近い部分もある。
それでいて、「捨て」がないのだ。
動物園に行ったら、さすがにチンチラは見なくてよくない?
そんな空気が流れることもあるが、
水族館は未知なる生物をぶつけてくる。

もうすぐ季節は冬。
野外の動物園より、おおかた室内の水族館がオススメ。
パートナーとのデートに、息子、娘とのデートに水族館はどうでしょうか。
きっと、素敵な出会いが待っていることでしょう。

最後にトリビアをひとつ。
足の長いタカアシガニっているでしょ。
長いもので全長3メートルにもおよぶらしいけど、
生まれときは1ミリとか2ミリなんだって。
比率がすごいよ、150倍から300倍だよ。
バケモノだよ。
人間で言ったら9メートルくらいになる計算。