休日

2021/12/13

荒木建策(放送作家/アリゴ座主宰)

今日は休日。
部屋でひとり親の仇のように硬い煎餅を食べながら、
一日を過ごしている。

4日連続で仕事をしたからだろうか。
コラムやちょっとしたコメントなどを書いたので、
完全なオフではないけれど、
ゆっくりできる時間がこれほど貴重なのかと実感している。

フリーランスの世界は仕事の大小こそあれ、
基本的に仕事の数が収入に直結するだけに、
依頼があれば一日も休まず、
それこそ年中無休で働く人もいるが、
私はラクをしたくてこの世界に入ったクチだ。

いわば、休みのために仕事をするような生活を夢見ているから、
ロングジョブは身体がついていかない。
趣味の延長線のような仕事だけど、
そこには責任が生じるからやはり疲れる。

精神的な部分もそうだし、肉体的にもそう。
どこが疲れるかは個人差があれど、自分の場合は目だ。
パソコンで原稿を書く、スマホをいじる、まばたき無しでゲームをする。
つねに目を酷使しており、視力の低下はもちろんのこと、
頭痛やその他の症状にいつ襲われてもおかしくない。

いつまでこの仕事を続けるかはわからないけれど、
引退を決意したときに、
五体満足でなければその後の生活を楽しめない。
休みの日は極力、疲労の回復に充てる...って、
これじゃ、休みのための仕事じゃなくて、
仕事のための休みになっとるやないかい!

まぁ、仕事が楽しいからそれでいいかと、
漫画を投げ捨て、パソコンの電源を切って、
今日はゆっくり休もうと、
寝っころがりながら煎餅をかじったら、前歯が揺れた。