野望

2021/12/20

荒木建策(放送作家/アリゴ座主宰)

プロ野球選手が趣味は野球だと公言し、
休日にバッティングセンターでフルスイングしていたり、
こっそりと他球団の試合を観戦していたら微笑ましいが、
本音では「あいつ大丈夫か?」と思っていたりもする。

私はテレビが大好きだが、
常々、趣味と仕事を混同させないようにしている。
なので、
テレビというエンタメの立ち位置をどうするか、
非常にやっかいなのである。

仕事は仕事、その中でやりがいや楽しみを見出すが、
けっして趣味と同列には扱わない。
そこには責任が生じ、
軽々しく趣味と言い切れない部分があるから。

寝落ちするまでバカなことをやっている
バラエティ番組を観ていようという日もある。
文字にすると、やけに冷めた印象を受けるけれど、
そういう付き合い方を選んだのだから後悔はないし、
「テレビ」に冷めてもいない。

誰かが言っていた。
趣味を仕事にしてはいけない、
そして仕事を趣味にしてはいけないと。

べつに趣味を仕事にしたっていいだろうとは思う。
そこから先が大事なわけで。

そして今、
漠然と、いや明確にか
まだまだテレビの仕事をしていたいと思っている。

さすがに今から役者になんてなれないから、
とりあえず、何らかの方法で
笑いとかもしかしたら感動とか
届けられたらというウソにしか聞こえない野望もある。

そして、そんな日がきたら楽しみにしていることがある。
ひとつの趣味において、
目標やゴールのようなものを設けて
それが叶ったとき、
私の心にこういった想いが生じるのではないかと。

演劇の方がオモロイやん。