荒木建策（放送作家/アリゴ座主宰）

10点満点中3点ぐらいの
私の顔と体型が呼び起こす奇跡なのか、
コスチュームを渡されたら、
まあ悪い方には転がらない。

ライオンや犬といった
着ぐるみを中心とする変装グッズを
友人に着せられたことがある。
性的な野外露出には興味ないが、
人から見られることは悪い気がしない。

サッカー部に入ったことはないけれど、
W杯の決勝戦でゴールを決める日を
夢見ていたころ、
学芸会で与えられた役が女子中学生の役だった。
着替えのときに、クラスの女子から「かわいー！」と
キャッキャッと騒がれ、
髪をゴムで結んでもらったら再び
「かわいー！」となる。

たしかに、鏡を見るとかわいかった。
レスリングの浜口京子を幼くしたような
純粋そうな笑顔があった。

そのころからか。
何かを着ることに魅力を感じることになったのは。
誤解のないようにいうが、
女装の趣味はまったくなし。
やれといわれればやるけど、
浜口京子に自分から近づくことはしない。

メインは動物系で、
私が憧れているのはキリン。
着ぐるみでどうやって表現できるか
気になるところではあるが、
生地についてはまだまだ改良の余地がある。

股間がもっこりすることがどうしても多くなって、
つねに無の境地にいなくてはならないのだけが
気がかりで毎日鏡の前に立っている。

ニーズがあれば画像あげます。