グミ中毒

2023/02/20

荒木建策(放送作家/アリゴ座主宰)

東京オリンピックが終わって1年半が経った。
4年に一度の大会だけあって、
そこに懸ける執念や強い思いが伝わってきて
涙が出そうになったり、
17日間に及ぶ感動の日々を送らせていただいた
...はずなのだが。

...忘れた。
誰がメダル獲ったんだっけ?
獲れなかったんだっけ?
全く覚えていないのである。
調べたら思い出すのだろうが、
私には、スポーツに対する熱はそこまでない。

東京オリンピックに関して、
最も記憶に残っていることのひとつが、
外国人選手に日本のお菓子が大人気だったこと。
特に明治製菓の「果汁グミ」。
選手村の食堂で無料提供されていて、
多くの外国人選手がデザートとして食しており、
中には禁止されているのに食堂から
大量に持ち出してしまう選手もいたのだとか。
食に関しては他人の嗜好に左右されやすい私は、
それを知って以来、グミにハマりにハマっている。

そもそもグミというのは、
皆さんご存じドイツの「ハリボー」が
1920年に発売したのが始まり。
当時、ドイツでは固い食べ物が少なくなっており、
子どもの噛む力を強くし、
歯にかかわる病気を防ごうと作られた。
日本でグミが商品化されるのは、
なんと、その60年後の1980年。
明治製菓の「コーラアップ」が最初である。
「果汁グミ」はその8年後の1988年発売。

日本人は、
パクって進化させるのが上手いと言われるが、
まさにグミでも同じことが起きている。
日本のグミに比べたら
ハリボーは粗悪なジャンク品。
グミ好きとしては、
一度味わってみなければと
ほとんどの商品を試してみたが、
生臭いにもほどがある。
使っているゼラチンの質が悪いのだろう。
原料である牛の骨の匂いが残っているような
あの匂いはリピートする気を全く起こさせない。

やはりグミは日本のものに限る。
明治、カンロ、春日井、ロッテ、ノーベルなど
有名菓子メーカーがこぞってグミに力を入れる中、
ひとつ抜きん出ているのが、
「UHA味覚糖」。

ぷっちょ、シゲキックス、忍者飯など、
食べて「これは!」と思って確認すると
大抵UHA味覚糖の商品なのである。
様々な人のニーズに合わせたグミが目白押し。
「コロロ」を口にしたときの衝撃は、
オリンピックを軽く超えてきた。

UHA味覚糖という企業名にもセンスを感じるし、
次は何を出してくるのだろうという
ワクワク感を提供してくれる一押しメーカー。
食したことのない方は、
是非、味覚糖のグミをお試しあれ。

ちなみに、私が最も好きなのは「コグミ」。
これを書きながら、一袋が腹に収まった。