おたけ成長日誌

2023/05/08

荒木建策(放送作家/アリゴ座主宰)

このコラムでも前に書いたことがあるが、
自宅前のちょっとした竹やぶには、
この時期になるとタケノコがニョキニョキ生えてくる。

先週の日曜日に今年もこの時期かと
最初に生えたタケノコに名前を付けて
成長を見守っていたところ、
管理人のおっさん、
略して管理人さんに全て引っこ抜かれてしまった。

感傷的な気分に浸りながら、
お裾分けでいただいた
そのタケノコを美味しく頂いたのだが、
胃で消化されたかされないかの内に、
新しいタケノコが生えてきたので、
またも懲りずに「小竹(おたけ)」と命名した
タケノコを観察することにした。

以下は、小竹の成長日誌(原文ママ)である。

5月1日(月曜日)
背丈は横に並べて見たキングギドラの1.5倍程度。
20センチくらいである。
数十年使い込まれたかのように黒々としているが、
まだ、ヨチヨチ歩きの子どもレベル。

5月2日(火曜日)
たった一日でキングギドラの3倍に。
寝る子は育つと言うから、
おそらく一日中寝ているのだろう。

5月3日(水曜日)
成長ホルモン全開。
メートル級の丈に。
もはや、名前に小をつけるのは失礼。
この日から「中竹(なかたけ)」と呼ぶ。

5月4日(木曜日)
中竹の色が徐々に茶色くなってきた。
小2男子くらいのサイズ。
1.2メートルくらいか。

5月5日(金曜日)
「こどもの日」
何かもらう側ではなく、
あげる側の貫禄を出し始める。
このくらいのサイズのおじさん、いるなぁ。
大竹に改名。

5月6日(土曜日)
ついに私の身長を超えた。
ここまでくれば管理人さんの手には負えぬため、
あとはすくすくと育っていくばかり。

この記録を取ったのが午前中。
午後になってもう一度様子を見にいくと、
八村塁くらいになっていた。

明日はきっとチェ・ホンマン。
そう考えると可愛くもなんともなくなり、
観察を終えることにした荒木でした。

そういえば、
最近、岐阜県の各務ヶ原市で
竹の花が咲いたことがニュースになっていた。

竹は120年に一回ほど一斉開花する植物で、
前回が1908年頃だったため、
今後数年の内に、バンバン咲くみたいです。