コンビニの潰し方

2023/05/22

荒木建策(放送作家/アリゴ座主宰)

コンビニでアイスの「ピノ」を購入し、
箱を開けてみて驚いた。
6個の内、ふたつが歪な形をしているのだ。
通常は丸い形のはず...。
おいおい、ふざけるんじゃないよ。

ピノには、
レアな形のものがあり、
確率約4.8%の「星型」
確率約3.2%の「ハート型」の2種類が存在している。
(※「約」と表記しているのは、
メーカーではこの2種類が存在しているのを
発表していないという体であるため)

それは知っている。
それは、知っているのだ。
しかし、今回の「歪」はワケが違う。
星型でもハート型でもない。
破損...いや、大破による歪なのである。

原因は、明らか。
近所のコンビニで
様々なものと一緒に購入したのだが、
レジ袋の最底辺にピノを入れ、
その上に熱々の総菜や飲食物、
最後に2リットルの飲料水
という順に載せたものだから、
家に辿り着くまでに、
その重みで見るも無残な姿になっていた。
ぶっ潰れ、箱が既に歪。
開ける前から不穏な雰囲気を醸していた。

こうして、アンラッキーピノが完成。
こんなことを繰り返すあのクソ店員...
いや、あの店に再び殺意を抱くことになろうとは。

...よし、潰そう。
あの店を潰そう。
そう思い立ち、私は三日三晩寝ずに考えた。
そして思いついたのは、
アンラッキーピノを作り出したあの店にこそ相応しい、
ラッキーによる潰し、略してラッキー潰しである。

やり方は簡単。
まずは、ガリガリ君を買い続け、
店にガリガリ君が人気なのだという勘違いを誘発。
これには、資金を惜しまない。
ときには「さくら」を雇うこともあるだろう。
仕入れが10倍くらいになったところで、
買うのをピタリと止める。
これでも、多くが自転車操業のコンビニにとっては
かなりの打撃となるだろう。

しかし、私の復讐は終わらない。
便利な世の中になった。
私はメルカリでガリガリ君の「あたり棒」を買い漁る。
そして、全てをあの店で交換してやるのだ。
仕入れれば仕入れるほど赤字。
その末に、廃業を余儀なくされるだろう。

これが、私が考えた、
合法的なコンビニの潰し方、ラッキー潰し。

ラッキー結晶、ガリガリ君のあたり棒。
買った店でしか交換できないと思っている方も多いが
実はそうではなく、どこの店でも交換可能とのこと。
さらに「あたり棒」を買い取っているメーカーもあるが、
赤城乳業株式会社は、そうではない。
元々ガリガリ君1箱を31本にして卸しているそうです。
是非、どなた様かお試しあれ。