すべての若者へ

2024/01/08

荒木建策(放送作家/アリゴ座主宰)

厄年の2023年も終わり、
今年こそは輝かしい一年に...。
そう思っていたのだが、
日本は新年早々不幸続きで、
鬱屈とした正月を過ごした。

そんな中、
神社へ詣でて
おみくじを引いたら中途半端な「小吉」。
そのおみくじを指定の場所に
結びつけようとしたら勢い余って紙が真っ二つ。
このペースで進むと9月あたりには
どこかしらに腫瘍が見つかるのではないか。

気を取り直して絵馬見学。
各祈願内容によって絵馬を奉納する場所が
分けられているらしく、
一番人気は合格祈願のコーナーだった。
昨年までは、
oo高校やらoo大学が圧倒的に多かったのだが、
今年は学校名ではなく
企業名が書かれたものが多かった。
皆、いい会社に入りたいのだなぁ。
税金も物価も上がり続けている昨今、
当たり前のことか。
自分も他人事ではないと
求人広告に目を通してみたのだが、
「これだ!」というのが一つもない。
腫瘍が見つかる前に臓器でも売れというのか。

冗談はさておき、
この不況を乗り切るには行動あるのみ。
とりあえず自分は、
今ある仕事を精一杯やるしかない。
ダメならスーパーのお酒コーナーで
試飲の案内人でもやってみよう。

嫌な過去は三日で忘れ、
嫌な現在は三日で慣れる。
そして、未来はどっちに転ぶかわからない。
新年早々ぐったりしちゃいけない。
本日は「成人の日」。
若者たちよ、
遅いお年玉をあげるから、
しっかり立ち上がるのだ。

もうイヤ、もうダメ、もうムリ、
そう思ったとき、
私は最初のギャラの給与明細を見て落ち込む。
...ではなく、奮い立つ。
ドル表記だとしても少ない金額が書かれた紙。
色褪せてインクも落ちて大分見づらくなってきたが、
捨てられない初心を思い出させてくれる大事な物。

若者たちよ、
金がないくらいで下を向くな。
神に頼らず現実を見よう。
これを読んでくれた
迷える小羊たちにどうか神のご加護を。
アーメン。

改めまして、
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします!