戦争と平和と佐野

2017/05/22

先日、千葉での仕事を終え、佐野と電車に乗った。
佐野とは某番組の居眠りADのことであるが、この男がまたビックリするほどヌルいのである。

私は乗り換えずに千葉から新宿まで、奴は「西船橋までご一緒します」と言っていたはずなのに、
西船橋に着いた途端「やはり、秋葉原まで一緒に」。

30分ほど電車に揺られ、秋葉原に着いたら今度は、「せっかくですから、ワタクシも新宿まで」と、
最短距離なら1時間で済むところを、奴は3時間かけて帰っていった。

「お先です」をなかなか言えない男が悪人のはずはない。
会話は大して盛り上がってもいないのに、
先に降りようとしない男がエゴを押し通すような人間であろうはずもない。

歴史を鑑みるに、平和をぶち壊すきっかけとなるのはエゴと嫉妬である。
地球上がAD佐野のような人間で埋め尽くされれば、
戦争はおろか、争い事は全てなくなるのに、とつれづれに思った出来事だった。


被爆3世作家
荒木建策