君たちはどうファイヤーするか

2024/02/05

荒木建策(放送作家/アリゴ座主宰)

退職適齢期を迎える前にファイヤーするのは、
多くの人にとっての夢だろう。

しかし、有望なIT企業の経営者や
詐欺師でもない限り、
私のような庶民がファイヤーできるとしたら、
宝くじに当選することくらいだろうか、
そう思ったこともある。

宝くじ...
3億当たったら失神するかもしれないし、
当選金は魅力だが、
当たっても「あ、仕事辞めよう」とはならない気がする。
となると、宝くじでファイヤーするのは無理か。

仕事しなくてもよいほどの
資産を手に入れるという「結果」はもちろんだが、
私は「過程」も重視したいのだ。

そういう結論に達したのは、
実は、随分前のことで、
その時にはtotoBIGを購入してみた。
Jリーグの試合結果をピタリと当てれば
最高6億円を誇るtotoBIGを購入したわけだが、
当時、断トツ最下位だったコンサドーレ札幌が
アウェーで勝利or引き分けが
計7つも組まれていた時点でテンションは激下がり。
結果は当然、ハズレ。
しかし、宝くじよりは、
過程を楽しめることに気付いた。

サッカーの試合は土日に分かれて約半分ずつ行われる。
もし、土曜の時点でパーフェクトならば
日曜日に楽しみが残る。
また、試合開始時間は進行の関係上、
どうしても誤差が生じるので、
ラスト1試合の時点でパーフェクト、
最後の会場は残り5分でドロー、
もし自分の持っているくじが引き分け指定となれば、
残り5分はは生きた心地がしないだろう。
どちらが攻めこんでも大慌てで、
ゴール前にボールが放り込まれようものなら
自宅に手榴弾が放り込まれたのと同じような感覚。
もし、生観戦していたら
劣勢のチームの12番目の選手として、
お縄覚悟で相手にスライディングするだろう。

こういったエキサイティングな経緯で、
6億円を手にしたとする。
すると...
いや、同じこと!
「経緯」とは、そういうことではない。
もっと早く気付くべきであった。

totoもダメなら、
どうやってファイヤーするか...。
やはり、暗号通貨か?
それとも株か?
株だな!?
株なら過程を楽しめる気がする。
そこで、話題の新NISAをやろうかと思い、
1ヵ月ほど前に口座を開設してみたものの...
未だに運用は0円。
5年で1800万円投資して、
20年後に5000万円近くになっていたとして...
まあ、魅力的だが20年は長すぎないか?

というワケで
結局、今のところの正解が見つからない。
皆さんは、どうやってファイヤーを目指しますか?
そもそも目指しませんか?