反省文m(_ _)m

2024/02/12

荒木建策(放送作家/アリゴ座主宰)

昨年の11月のこと。
ある方が書いたという反省文がLINEで届いた。

反省文。
停学処分や仕事で大きなミスを犯した場合に、
失態を謝罪し、
さらに今後の所信を文書に残すのが
一般的な内容だろうか。

反省文を書く機会なんてそうあるものではない。
私も若い頃に一度書いたことがあるだけだし、
学生か、新入社員か、
いずれにせよ半人前の若者が書くイメージが強いが、
その反省文を書いたのは、
もうすぐ50歳になろうかという先輩。

何をやらかしたのかと思って
読んで事の顛末を確認すると、
彼は番組の打ち上げで行った居酒屋で
立ち上がった際に足が絡まってしまい、
そのままヨロヨロとテーブルに倒れこんで、
どんがらがっしゃん。
コロナ対策のために設置してあった
プラスチックの仕切りを割ってしまったらしい。

なるほど、そういうことなら
居酒屋への謝罪が綴られているのかと思いきや、
その反省文は居酒屋に送るためのものではなく、
同席していたプロデューサーに対するもの。
ノリなのか、本気なのか、
彼は謝罪の意を文章で伝えたいと思ったようなのだ。

私なら、
もうすぐ50を迎える男性が
よろけて倒れる様子を生で見ていたら
介護さえしてあげたい気分になるわけだが、
そのプロデューサーは相当怒っていたらしい。

たしかに、
足がもつれて店のものを壊してしまうのは、
年齢を言い訳にしてもやりすぎだとは思うし、
この事件を知ったとき、
こっちが恥ずかしくなったが、
反省文はやりすぎではないか。

などと思いながら読んでいると、
この反省文が私に送られてきたのは、
添削して欲しいという意図だったようで、
これで大丈夫かと意見を求められた。

私は、最後の文章、
「申し訳ございませんでしたm(_ _)m」の
m(_ _)m
↑この顔文字だけ外すことをアドバイス。

なぜなら、
私が一度だけ書いたことのある反省文は、
当時所属していた事務所の
スーパーパワハラ社長に対して
この顔文字を使ってしまい、
反省文を書くように強要されたからである。