ルパン三世

2024/07/15

荒木建策(放送作家/アリゴ座主宰)

先日、このコラムの執筆を私に依頼し、
7年以上に亘って書かせてくれている
「加藤さん」に4年振りにお会いした。

コロナ禍で飲みに行くことが
難しくなっていたのとか、
単純にタイミングが合わなかったとか、
色んな理由があるのだけど、
とにかく会うのは4年振りだった。

加藤さんとの出会いは、
もう15年以上前になる。
ある番組の構成担当で私が入っていて、
加藤さんはディレクターとして、
...居た。

もしかしたら、
これを毎週読んでいる方には
知られていないのかも知れないが、
加藤さんはモンキー・パンチ先生のご長男。
(私も、それを知ったのは、出会って
しばらくしてからなのだが)

だから、
私は『ルパン三世』という作品を通して、
もっとずっと前から
加藤さんを知っていたのではないかと、
不思議な気持ちになることがある。

思い返すと、
私が初めて『ルパン三世』を観たのは、
おそらく6歳の頃だった。
そのときの作品は、いわゆる旧ルパン。

子どもの頃の朧げな記憶を掘り起こすと、
再放送されていた第15話の
「ルパンを捕まえてヨーロッパへ行こう」だったはず。

うーん...なんで第1話から観てないのか、
それは思い出せないのだけど、
旧ルパンは、当時としてはめずらしい
大人向けのアニメーションだったからか。

第15話の放映日に何故だったか、
私は祖父と一緒にルパンを観ていた。
まぁ、おじいちゃんは子どもの教育に
一切口を出さない人だったし、
たぶん何も考えずにチャンネルを合わせたのだろう。
だが、観終わった後に一言、
「ルパンのように頭の良い男になれ」という
意味のことを言われたのがすごく印象的で、
今でも覚えている。

大泥棒のようになれという爺、
どうかと思うのだが、
ルパンはやはり
私達、漢にとって
「ヒーロー」なのだと思う。
そして、それは
作者であるモンキー先生にとっても同じことで、
そのヒーロー論というか、
精神は、
息子である加藤さんには
必然的に植え付けられているわけで...。

事実、
ルパンを観ていると加藤さん臭がするし、
加藤さんを見ているとルパン臭がするもの。

これ以上書くと、
下手なラブレターみたいになるので、
やめておきますが、
これからもお互い体に気をつけて、
生きていきたいと思う。
そして、何かをまた共に作れれば。

これを読んでくれている皆様も
どうかご身体、ご自愛ください。
そして、また会いましょう。

あ、それから、
「死ぬまで書いて」と言われたので、
このコラム、
もうしばらく続きます(笑)