Dr.スランプ的コラム
2024/07/29
荒木建策(放送作家/脚本家)
皆さんは、
スランプを経験したことはありますか?
どんな職業にも、多分スランプはあって
「絶賛スランプ中!」以外の方であれば、
スランプに陥ったときの
独自の対処法を持っていたりする。
とある野球選手は、
何かのインタビューに答えて
「調子を落としている時に
どれだけバットを振ってもダメ。
結果的にフォームを崩すだけだから、
しばらくは気分転換に努める」と言っていた。
また別の選手は、
「バッティングの調子は日々の練習の積み重ね。
一日バットを振らなければ一日後退してしまうので、
ひたすら練習に励むのみ」と語っていた。
果たしてこれは、どちらの理論が正しいのか?
私には判断がつきかねるのだが、
彼らは、ともにプロ野球の歴史に
素晴らしい足跡を残した名選手であり、
要は己の信じた調整法で
スランプに対処しているのだと思う。
何でまた唐突にこんな話を持ち出したのかと言うと、
私はここ最近、
筆の調子がすこぶる悪いからである。
面白いストーリーが思いつかず、
漫才を書いてもイマイチ跳ねない。
もちろん野球と脚本では、
フィールドが根本的に違うことはわかっているが、
何とかしてこのスランプを脱しなければ、
私は廃業してしまう。
だから、
様々な分野の方のスランプの対処法を知るべく
ネット検索してみたのである。
例えば...
走る哲学者ともよばれている為末大さん。
400mでシドニー、アテネ、北京オリンピックに
出場されたスーパーハードラーである彼は、
自分の知っている範囲で、
スランプに耐えて抜け出た選手のほとんどが
持っている要素は、楽天性。
なるようになるしかないさという、
どこか他人事のような軽さを持ちなさい、
と語っている。
北島康介選手のコーチだった平井伯昌さんは、
長期的なスランプの原因は、
心理的な面が大きいと言い、
克服するには、己を知るために
自問自答することが大切だと語っている。
他人との比較ではなく、
自分に対する絶対評価で自分を見つめると、
周りに流されないようになるそうだ。
北京五輪前に
極度のスランプ状態だった北島選手も、
自分の泳ぎを改めて見直したことが、
北京での金メダル獲得に繋がったという。
なるほど、やはり一流の言うことは説得力が違う。
楽天的になることと、
己を知るために自問自答すること、か。
そして、
最後に見つけたのが、
私が敬愛する将棋の羽生善治先生が
語ったスランプについての記事。
羽生先生は、その記事で
負けが続いたとき、
単なる不調によるものか、
実力を反映しての負けなのかを
見極める必要があると説いている。
実力が足りず負けが続いているのなら、
経験を積むしかなく勉強や練習が必要。
しかし、不調による負けの場合に
必要なのは気分転換で、
散歩や旅行、散髪などで
感情のケアを心がけるとのこと。
伸び悩んでいる原因をはっきりさせることが、
スランプから脱出への近道と説いていたのである。
つまり、そもそも実力がないのか、
スランプなのかを
まず、見極めなさいということ。
...あれ?
私の場合はどっちだ?
実力不足なのか本当のスランプなのか。
まずは、どちらか判断することから
始めることになりそうだ。
皆さんは、
スランプを経験したことはありますか?
どんな職業にも、多分スランプはあって
「絶賛スランプ中!」以外の方であれば、
スランプに陥ったときの
独自の対処法を持っていたりする。
とある野球選手は、
何かのインタビューに答えて
「調子を落としている時に
どれだけバットを振ってもダメ。
結果的にフォームを崩すだけだから、
しばらくは気分転換に努める」と言っていた。
また別の選手は、
「バッティングの調子は日々の練習の積み重ね。
一日バットを振らなければ一日後退してしまうので、
ひたすら練習に励むのみ」と語っていた。
果たしてこれは、どちらの理論が正しいのか?
私には判断がつきかねるのだが、
彼らは、ともにプロ野球の歴史に
素晴らしい足跡を残した名選手であり、
要は己の信じた調整法で
スランプに対処しているのだと思う。
何でまた唐突にこんな話を持ち出したのかと言うと、
私はここ最近、
筆の調子がすこぶる悪いからである。
面白いストーリーが思いつかず、
漫才を書いてもイマイチ跳ねない。
もちろん野球と脚本では、
フィールドが根本的に違うことはわかっているが、
何とかしてこのスランプを脱しなければ、
私は廃業してしまう。
だから、
様々な分野の方のスランプの対処法を知るべく
ネット検索してみたのである。
例えば...
走る哲学者ともよばれている為末大さん。
400mでシドニー、アテネ、北京オリンピックに
出場されたスーパーハードラーである彼は、
自分の知っている範囲で、
スランプに耐えて抜け出た選手のほとんどが
持っている要素は、楽天性。
なるようになるしかないさという、
どこか他人事のような軽さを持ちなさい、
と語っている。
北島康介選手のコーチだった平井伯昌さんは、
長期的なスランプの原因は、
心理的な面が大きいと言い、
克服するには、己を知るために
自問自答することが大切だと語っている。
他人との比較ではなく、
自分に対する絶対評価で自分を見つめると、
周りに流されないようになるそうだ。
北京五輪前に
極度のスランプ状態だった北島選手も、
自分の泳ぎを改めて見直したことが、
北京での金メダル獲得に繋がったという。
なるほど、やはり一流の言うことは説得力が違う。
楽天的になることと、
己を知るために自問自答すること、か。
そして、
最後に見つけたのが、
私が敬愛する将棋の羽生善治先生が
語ったスランプについての記事。
羽生先生は、その記事で
負けが続いたとき、
単なる不調によるものか、
実力を反映しての負けなのかを
見極める必要があると説いている。
実力が足りず負けが続いているのなら、
経験を積むしかなく勉強や練習が必要。
しかし、不調による負けの場合に
必要なのは気分転換で、
散歩や旅行、散髪などで
感情のケアを心がけるとのこと。
伸び悩んでいる原因をはっきりさせることが、
スランプから脱出への近道と説いていたのである。
つまり、そもそも実力がないのか、
スランプなのかを
まず、見極めなさいということ。
...あれ?
私の場合はどっちだ?
実力不足なのか本当のスランプなのか。
まずは、どちらか判断することから
始めることになりそうだ。