健康の値段

2024/10/21

荒木建策(放送作家/脚本家)

今年もかかりつけの病院から
「インフルエンザ予防接種の御案内」
という封書が送られてきた。

そう、毎年この時期になると頭を悩ませるのが
インフルエンザの予防接種である。

だが、接種するかしないかという悩みではなく...

20代の頃には、
予防接種なんて受けたことがなかったが、
歳をとって身体の抵抗力も落ちたということなのか
今を遡ること十数年前、
仕事場から自宅に連れ帰ってしまった
ウイルスが実はインフルエンザで、
当時の同居人と寝込む羽目になってから、
毎年、予防接種を受けるようにした。

最初は、
1回の料金が4000円の
近所の耳鼻科で予防接種を受けた。
その後、近所に住む知人から
最寄駅近くにある内科医では2000円だと聞き、
おいおい、それって品質的に大丈夫か?

...とは思ったけれど、
「近くて安い」のは非常に魅力的。
それで、物は試しにと受けてみたところ、
特に問題はなさそうだったので、
それから、毎年その内科医で受けていた。

世田谷に引っ越してからは、
近くの病院で1回3600円で受けていたが、
その翌年にやっぱり口コミで料金が安い病院を知り、
最初に受けたときは1回2100円。

その後しばらくは料金据え置きだったが、
今年から1回2500円に値上がりした。
それでも、よその病院に比べたら安いので、
今年も10月5日に予防接種を受けてきたのだが、
それにしても、よくわからないのは
「同じ予防接種がなぜ値段が違うのか」ということ。

調べてみたところ、
予防接種は自由診療(健康保険適用外)で、
それぞれの病院が
独自に料金を決めて構わないらしい。
これを全国統一の料金にしてしまうと、
独占禁止法に抵触するおそれがあるのだとか。

もちろん品質は変わらないから
(ただし、防腐剤を使用していないワクチンは料金高め)、
安い料金で受けられる病院に行くに越したことはない。

まぁ、得した額より交通費の方が高い...
なんてコトになったら笑えないわけだが、
せめて自宅周辺の病院の予防接種料金は
調べてみる価値があると思うので、
皆さん、是非、ググってみてください。

迷うのは、受けるか受けないかではなく、
どこで受けるか、というお話。

いや、今回のコラム...
マジメか!