荒木建策（放送作家/脚本家）

成功者は必然か偶然か
強運が備わっているもので、
これは絶対的な真理なのである。

私の人生を振り返ってみると、
ツイていたと思えることは
『エンタの神様』と
『秘密のケンミンSHOW』に
拾われたことぐらいで、
次に思いついたのは、
大型テレビの当選だ。

 (2022/09/12) コラム参照。

それは、結局のところ詐欺だったのだが、
40年も生きていれば、
福引きでハワイ旅行が当たったり、
懸賞でゲーム機が当たったり、
適当に買った馬券が的中したり、
痴漢から救った女性と結婚まで発展したりと、
強運の持ち主なら何かひとつは
経験しているはず。

弟は、50万人の応募の中から
月刊ジャンプの懸賞、
セガサターンを当てていたし、
親友の大坪は彼女の誕生日の数字で
適当に買った馬券で100万超えの金額が
当たっていた。
10万円だったかも知れない。

羨ましい。
なんか、それに準じた幸運が
そろそろ私にも訪れていいのではないだろうか。

ちなみに、私の福引き最高記録は
真っ赤な玉が出てきて
鐘をチリンチリン鳴らされ、
渾身のガッツポーズをしたときにいただいた
醤油の3本セットである。

その日、
その時間、
その場所、
まるで奇跡としか思えない出来事がある。
ああ、素晴らしい奇跡。
私にだってひとつぐらい、
小さくても、
そんな出来事があったっていいじゃない。
セガサターンは当たらなくてもいいし、
馬券も当たらなくていい。
そして、醤油はいらない。
日常のほんの小さな喜びでいいんだ。

そう思っていたら、
思い続けていたら、
起きた。
小さな奇跡。

6月5日に発売される
『ニンテンドーswitch２』 当選。
もらえる訳じゃなく、
買える権利が当たっただけなのだが、
嬉しい。

世界中のゲーマーが、
喉から手が出るほど求めている
ニンテンドーswitch２の当選。
祝福されるべき確率というワケではないが、
幸運と言っても差し支えないくらいの
出来事だと思う。

私の友人のゲーマーたちは
ことごとくハズレて、
私に対して、
やれインチキだの
テレビ関係者だから贔屓されているだの
言いたい放題だったのだが、
本当にただの運。

マリオカート付きの本体、
5万円ちょっと。
6月5日が楽しみ。

だが、これが
私の人生で一番運が良かった出来事になるのは
なんか違う気もしている。