引っ越しました
2025/08/11
荒木建策(放送作家/脚本家)
引っ越してから約2年も経つのに、
使っていない部屋があった。
契約時は舞い上がっていて、
リノベーションされたばかりの部屋を眺めながら、
リビングの他に仕事部屋を作り、
これから始まる新生活をイメージしていた。
しかし、実際はどうだ。
使っているのはリビングと寝室だけ。
寝室も強引に利用しているだけで、
リビングに布団を敷いて眠る日もある。
部屋は最初からひとつで事足りたのである。
人のせいにはしたくないが、
ある先輩が海外に発ったとき、
「俺が日本に帰ったら家がないから、
部屋を空けといてくれ」と
今思えば、無茶な要求をされた。
それでも男の約束だ。
だから彼のための
ゲストルームを用意したのである。
にもかかわらず、
先輩は来ることがなかった。
えっ、マジっすか?
帰国後すぐに部屋を借りたと聞いたときは
本気でびっくりしたのだが、
もっとびっくりしたのは
彼用にと思っていた部屋の設備である。
実は、
引っ越してから2年が経つというのに、
その部屋に入ったのは3回目。
収納がある6畳の、
普通の部屋だと思っていた。
しかし、
この部屋には魅力が、
コンセントの差し込み口が
12個もあるという魅力があったのである。
その昔、
ヒビの入ったタコ足コンセントをいじっていたら
死を予感するほどの感電に遭ったことがあり、
それ以来、コンセントは規定の個数を
使用することを頑なに守ってきた。
もちろん、不便することもある。
差し込み口の関係上、
リビングでケータイを充電しながら
プレステで遊ぶことができない。
そのストレスから解放される夢の空間が、
生活拠点の3メートルほど先にあったのである。
今日からこの部屋をメインとする。
人生初の自宅から自宅への引っ越し。
こんなことが起こるとは思っていなかった。
だが、部屋の四方に差し込み口が
3個ずつある空間はそうそうないだろう。
便利すぎる。
引っ越してから約2年も経つのに、
使っていない部屋があった。
契約時は舞い上がっていて、
リノベーションされたばかりの部屋を眺めながら、
リビングの他に仕事部屋を作り、
これから始まる新生活をイメージしていた。
しかし、実際はどうだ。
使っているのはリビングと寝室だけ。
寝室も強引に利用しているだけで、
リビングに布団を敷いて眠る日もある。
部屋は最初からひとつで事足りたのである。
人のせいにはしたくないが、
ある先輩が海外に発ったとき、
「俺が日本に帰ったら家がないから、
部屋を空けといてくれ」と
今思えば、無茶な要求をされた。
それでも男の約束だ。
だから彼のための
ゲストルームを用意したのである。
にもかかわらず、
先輩は来ることがなかった。
えっ、マジっすか?
帰国後すぐに部屋を借りたと聞いたときは
本気でびっくりしたのだが、
もっとびっくりしたのは
彼用にと思っていた部屋の設備である。
実は、
引っ越してから2年が経つというのに、
その部屋に入ったのは3回目。
収納がある6畳の、
普通の部屋だと思っていた。
しかし、
この部屋には魅力が、
コンセントの差し込み口が
12個もあるという魅力があったのである。
その昔、
ヒビの入ったタコ足コンセントをいじっていたら
死を予感するほどの感電に遭ったことがあり、
それ以来、コンセントは規定の個数を
使用することを頑なに守ってきた。
もちろん、不便することもある。
差し込み口の関係上、
リビングでケータイを充電しながら
プレステで遊ぶことができない。
そのストレスから解放される夢の空間が、
生活拠点の3メートルほど先にあったのである。
今日からこの部屋をメインとする。
人生初の自宅から自宅への引っ越し。
こんなことが起こるとは思っていなかった。
だが、部屋の四方に差し込み口が
3個ずつある空間はそうそうないだろう。
便利すぎる。