海よ その愛

2025/10/13

荒木建策(放送作家/脚本家)

海に関して言うと、
それは、
畏怖と憧れの気持ちが同時に
押し寄せる、
なんとも言い難い存在なのである。

我々人類が、
そこから生まれたというのも
深く関係しているのだろう。

加山雄三が唄っている。
『海よ その愛』

海よ俺の海よ 大きなその愛よ
男の思いを その胸に抱きとめて
あしたの希望(のぞみ)を
俺たちにくれるのだ

海とは、そういう存在。

ま、
これは前置きとして、
私は海に対して恐さと憧れを
同時に持っているからこそ、
船旅が大好きなのである。

飛行機なら1時間半くらいの道のりを
30時間くらいかけて、
ちょっとした食事とアルコールを摂取しながら
仕事やら人間関係のよしなしごとを忘れて
ただ、波に揺られている感覚。
最&高。

今、両親がクルーズ船で
日本一周旅行に行っている。
ツアーを取り仕切っているのは、
ジャパネットである。

横浜から出港して
函館やら秋田を経由し、
日本海に出る。
さらには韓国・済州島にも寄港し、
北陸、九州のいくつかの県にも寄って、
日本を一周して再び横浜へ。

寄港した先では
自腹で昼食を摂ったりするらしいのだが
朝、晩は、船の中で豪華な食事。
これで30万円くらいだというのだから、
すごいよジャパネット。

例えば、ジムがあるようなマンションに
住んでいたり、
1億円くらいする車に乗っていたり、
8等身のモデルと付き合っていたり、
そんな人に対して、
「羨ましい」と思ったことはないのだけど、

今、豪華客船で、
日本一周している両親は、
マジで羨ましい。